順列と組み合わせの話というのはなんとなく理解して、そのうち忘れるということを繰り返しがちです。ちょっと整理してみました。
まず定義から
順列と組み合せの定義はこうです。
- 順列
n 個から r 個を選んで 順番を意識して 並べたもの - 組み合せ
n 個から r 個を選んで 順番を意識せず 並べたもの
ちょっと抽象的なので、もう少し具体的に考えてみます。
リレーチームに例えてみる
リレーのチームを選抜するとします。候補は5人、そこから3人を選びます。そうすると、順列と組み合せの定義はこうなります。
- 順列
3人を選んで、走る順番も決める - 組み合せ
3人を選ぶ (選ぶだけ。順番は決めない)

n 個から r 個を選ぶとき(今の例だと 5人から 3人を選ぶとき)
- 走る順番は何パターンになるか?
それを求めるのが順列の問題で、パターンの数を \({}_n P _r\) と書きます。
(今の例だと \({}_5 P _3\)) - チームのメンバー構成は何パターンになるか?
それを求めるのが組み合せの問題で、パターンの数を \({}_n C _r\) と書きます。
(今の例だと \({}_5 C _3\))
計算の手順
まず順列 \({}_n P _r\) を求め、その値をもとに組み合せ \({}_n C _r\) を求めます。
順列の求め方
5人から第一、二、三走者を選ぶわけですから
- 第一走者は5人から選ぶ
(残りは4人) - 第二走者は残り4人から選ぶ
(残りは3人) - 第三走者は残り3人から選ぶ
全パターンの数は 5 × 4 × 3 =60パターンになります。
図にすると (5人をそれぞれ A、B、C、D、E とします)

順番のパターン数が \({}_n P _r\) ですから
公式にしてみる
上の数式はとても単純で、選手の人数 5 を起点にして、-1しながら掛け算を3回行うだけです。

簡単ですが、これは、あくまで、5人から3人を選ぶ場合の計算式です。公式として、n個 から r個を選ぶ場合の計算式がどうなるのか考えてみます。
まず、5 × 4 × 3 を、次のように書きなおします。
ここで5、3という具体的な数字を n、rに置き換えると公式になります。
組み合せの求め方
順列のパターン数 \({}_n P _r\) を求め、その結果から組み合せのパターン数 \({}_n C _r\) を求めると先に書きました。そもそも両者の関係はどうなっているのか、それをまず確認しておきます。
順列と組み合わせの関係
A、B、C の3人でチームを組んだとします。そのチームの走る順番は以下の6通りが考えられます。
A → C → B
B → A → C
B → C → A
C → A → B
C → B → A
チームに対して走順が6通り。言いかえると、組み合せ1つ(A、B、C)に対して順列が6通り考えられるわけです。つまり、走順のパターン数はチームのパターン数の6倍になるということです。

ということは、順列のパターン数の合計(前項で求めた60)を6で割れば組み合せのパターン数が求まるはずです。
チームのパターン数は10です。
公式にしてみる
前式の分母 6 という値はどのように求めるのでしょうか。数式で表すと
これは、3人の並び順を全部数えるための数式で、 \(3!\) と書けます。
ここで5、3という具体的な数字を n、rに置き換えると公式になります。
まとめ
\({}_n P _r=\large{\frac{n!}{(n-r)!} }\)
\({}_n C _r=\large{\frac{{}_n P _r}{r!}}\normalsize{=}\large{\frac{n!}{(n-r)!\ r!} }\)